シティズンデータサイエンスラボ
データビークルの最高製品責任者であり統計家の西内啓がデータ活用で成果をあげている企業・組織のキーパーソンの方とデータサイエンスの現実について語り合う対談シリーズ。
データを活用してエビデンスに基づいた経営判断を行いたいと考えるすべての人に。「データでもっと儲ける方法 ~経営とマーケティングのためのアナリティクスデザイン~(著:西内啓/発行:翔泳社)」の全文を公開します。
リーダーが自ら学ばなければ、便利なツールを使いこなす文化は育たない柳瀬 私は、自分が社長という立場なので、会社の業績や数字を上げるためにデータ活用することを大きなテーマとしています。また、関連会社である「カホエンタープライズ」ではデータ分析の環境構築を支援していますので、現場をどう巻き込むかということにも興味があります。西内さんの本を読んだのもそうなのですが、やはり勉強し続けなくてはだめだと思いました。 西内 弊社でも統計学講座を開講していて、企業の方から評価いただいてい
データ分析によって話の齟齬がなくなった西内 私たちはこうしてシティズンデータサイエンスが大事だよと啓蒙をしているのですが、分析をする人と業務を知っている人のあいだのギャップがトラブルの元になるというのはよくあるパターンなんです。 企業が、大学院で機械学習の研究をしていた人をデータサイエンティストとして採用したけれど、それまでホームセンターに一度も行ったことがないのにホームセンターの分析をして、分析結果を見て、(最近のホームセンターでは当然のように水が売られているのにも関わ
市場分析がマクドナルド相手の仕事につながった商社時代西内 柳瀬さんはどのようなきっかけで統計学に興味をお持ちになったのでしょうか。 柳瀬 大学時代は経済学を専攻していたのですが、一般教養科目で履修していた統計学の授業にもとても興味を持ちました。実家が商売をしていたこともあって、数字を集計したりするのは割と好きな方だったんです。 大学を卒業してから三井物産に就職しまして、食料本部の総括部に配属されました。入社2年目には、缶詰や冷凍食品を海外から輸入して国内の問屋さんに売る
よいアウトカムとは何か アウトカムと解析単位という2点が適切に定まれば、「どこから手をつけていいかわからない」という問題も、「出てきた結果がナンセンス」という問題も回避することができます。これがデータを使って「よいリサーチクエスチョンを考えることができた」という状態です。 とはいえ、慣れないうちはそれが「よいアウトカム」なのかどうか、自信を持って判断するのは難しいかもしれません。そこで次に、よいアウトカムを定めるためのいくつかの考え方について学んでいきましょう。 ビジネ