シティズンデータサイエンスラボ

「シティズンデータサイエンス」とは、統計学の専門家ではない一般の人々がツールを用いて手軽にデータを活用すること。データ分析の世界をより身近にします。株式会社データビークルから株式会社ソウジョウデータに運営を引き継ぎました。https://www.soujoudata.com/

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マガジン

  • 市民データサイエンスの現場を訪ねて

    データビークルの最高製品責任者であり統計家の西内啓がデータ活用で成果をあげている企業・組織のキーパーソンの方とデータサイエンスの現実について語り合う対談シリーズ。

  • データサイエンス入門講座

    データを活用してエビデンスに基づいた経営判断を行いたいと考えるすべての人に。「データでもっと儲ける方法 ~経営とマーケティングのためのアナリティクスデザイン~(著:西内啓/発行:翔泳社)」の全文を公開します。

最近の記事

「データ活用で新しいモビリティインフラへ」Mobility Technologies 川鍋一朗氏×西内啓対談 Vol.2

コロナ禍でテクノロジーに頼らざるを得ない状況になり、顧客受容性が伸びた 西内 『お客様探索ナビ』をヒートマップ表示ではなくナビゲーションにした背景には、乗務員さんからの意見や会社としての考えがあったのでしょうか。 川鍋 単純に、ヒートマップ表示よりもルートを示したほうが乗務員さんもわかりやすいということがあります。 同時に、新型コロナの影響が大きかったと思っています。コロナの影響でタクシーを利用するお客様が減ってしまい、これまで頭の中に描いたとおりにタクシーを走らせても

    • 「経験と勘」のタクシー営業がデジタルにシフトした Mobility Technologies 川鍋一朗氏×西内啓対談 Vol.1

      「タクシー産業の定義が変わる」シリコンバレーでUberを見て受けた衝撃 西内 JapanTaxi(現Mobility Technologies)では2011年に日本で初めてタクシー配車アプリをリリースし、現在では『GO』を展開しています。会社としてデジタル側にピボットしてきた経緯を教えていただけますか? 川鍋 本業であるタクシー事業の半分がデジタルになったことが大きいですね。日本交通のグループ会社であるJapanTaxi(現Mobility Technologies)は2

      • 「データ活用人材に必要なのは人への興味」北の達人 木下勝寿氏×西内啓対談 Vol.3

        「人間への興味を持ち、人間の行動を考える」ことが大切西内 経営やデータ活用において、御社にとっての課題とはなんでしょうか。 木下 データ分析の究極がビッグデータを解析したAI だと思うのですが、そうした環境が整えば整うほど、人間の考える力はどんどん落ちていると感じます。20年前にeコマースの事業を始めた当時は取れるデータが少なく、自動で分析できるわけではなかったので、日々脳味噌を絞って必死で解データを分析していました。 しかし、今の若い人たちはそうした機会がほぼないんで

        • 「データに基づいて誰もが意思決定できるように、ビジネスの範囲を絞った」北の達人 木下勝寿氏×西内啓対談 Vol.2

          データでイエス・ノーが判断できる範囲にビジネスを絞った西内 前回は、新入社員の方が赤字を出さないように上限CPOを設定して広告の出稿にアラートを出しているとおっしゃっていましたが、データの活用について、人材の採用や教育など、人事面ではどんな施策をされていますか? 木下 データ活用人材の採用についてはIQテストを行っており、採用選考基準として、最低120以上に設定をしています。IQ の値は20以上差があると、話が合わなくなるといわれています。IQ がある程度高い人は周りの人

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        • 市民データサイエンスの現場を訪ねて
          30本
        • データサイエンス入門講座
          21本

        記事

          「ECはデータを使えば確実に勝てる」北の達人 木下勝寿氏×西内啓対談 Vol.1

          データを計測することで確実に「勝てる」ことに気がついた西内 はじめに、御社のビジネスについて教えてください。 木下 当社では現在、自社ブランドの化粧品や健康食品を扱うeコマース事業を展開しています。インターネットが普及し始めた2000年の創業ですが、当時私は北海道が好きで、出身地である神戸市から北海道までよく旅行に出かけていました。そこで、北海道の特産品を扱う事業をやろうと考えたのです。 当初はカニやメロン、イクラといった北海道の特産品を扱いながら、事業がある程度軌道に

          「ECはデータを使えば確実に勝てる」北の達人 木下勝寿氏×西内啓対談 Vol.1

          誰が何に向いているかの定義は、時代によって変化する<源田泰之さん vol.3>

          人の判定と同等の精度をAIで実現西内 今後、新型コロナによって対面でのビジネスが難しくなってくると、非言語による情報量が落ちてきます。そうなると、データを活用して見極める精度を上げられるかどうかが会社としての競争力に影響しそうですね。 源田 おっしゃるとおりです。データ分析がちゃんとできる人が1日1時間ぐらいやるだけでも全然違ってきますよね。 現在、弊社の採用の応募者の方には一次面接で動画を提出してもらっています。動画はエクサウィザーズの動画解析モデルを使い、合格基準を

          誰が何に向いているかの定義は、時代によって変化する<源田泰之さん vol.3>

          データ分析できる社員なくして採用活動はできない<源田泰之さん vol.2>

          社員の最適なキャリアを叶えるためにデータを活用 西内 最近のSPIは認知機能だけでなく性格検査もできて、人と人との相性や職種ごとのパフォーマンスなどの指標になります。多くの会社では、せっかくとったSPIのデータを活用せずに破棄してしまっているそうなんです。しかし御社では、データを活用した採用選考をいち早くされていたんですね。 源田 はい。採用だけでなく社員の配置についてもデータを活用することができないか検討しています。 社員の配置についてはまず、事業計画に基づく人材戦略

          データ分析できる社員なくして採用活動はできない<源田泰之さん vol.2>

          データ活用で採用を「見える化」するソフトバンクの人事部門 <源田泰之さん vol.1>

          営業職から「ソフトバンクアカデミア」での人材育成の業務へ 西内 源田さんのこれまでのキャリアをうかがいたいと思います。最初に入社されたのはソフトバンクだったのでしょうか。 源田 私が入社したのはソフトバンクに買収される前のJフォンでした。当時は個人の連絡方法がポケットベルからPHSに変わって、そこから携帯電話に移り変わるタイミングだったんですね。PHSは日本独自の規格だったのですが、携帯電話は国際規格です。一度普及してしまえば安泰なのではないかという妙な安定志向(苦笑)と

          データ活用で採用を「見える化」するソフトバンクの人事部門 <源田泰之さん vol.1>

          「ベスト」ではなく「ベター」な意思決定をするためにデータがある / note株式会社 加藤貞顕氏×西内啓対談 Vol.3

          ウィズコロナ時代はデジタルトランスフォーメーションが鍵になる西内 今、いろんな会社がデジタルトランスフォーメーションを実践していて、アナログにやっていたことをデジタルに移行しようとしています。そんな中、御社はデジタルネイティブな会社だという印象があります。それも、インターネットを使っているからデジタルだという話ではなく、さらにもう一歩踏み込んで、データドリブンネイティブな会社として成功している珍しい例ですね。 加藤 たしかに弊社では、アプリケーションレイヤーに関してはデー

          「ベスト」ではなく「ベター」な意思決定をするためにデータがある / note株式会社 加藤貞顕氏×西内啓対談 Vol.3

          数学の基礎知識を社内で共有し、コミュニケーションロスを減らす / note株式会社 加藤貞顕氏×西内啓対談 Vol.2

          毎週社内で数学の勉強会を開催西内 会社が成長していく過程の中で、データドリブンな取り組みをするためにどんな組織づくりをされてきたのか、教えていただけますか。 加藤 組織づくりは本当に試行錯誤してきました。今、会社の規模が90人ほどなのですが、データに関しては専属のデータサイエンティストが1名、外部のパートナーが3名。この4名がデータ分析に携わっています。 また、データをきれいに取り出すための基盤を作るエンジニアリングチームもいますね。それとは別に、取り出したデータからレ

          数学の基礎知識を社内で共有し、コミュニケーションロスを減らす / note株式会社 加藤貞顕氏×西内啓対談 Vol.2

          創業の背景にあった「PV至上主義への違和感」/ note 加藤貞顕氏×西内啓対談 Vol.1

          「このままでは売れるものだけが売れて、他のものはまったく売れなくなる」 西内 加藤さんとはnote株式会社を立ち上げる前、前職の出版社を退職しようというタイミングで初めてお会いしましたね。 加藤 もう10年くらい前ですよね。Twitterの西内さんのアカウントを見ていて、すごくおもしろい人がいるなと思って注目していたんです。そんなとき、知人の紹介でご一緒する機会がありまして、統計の専門家である西内さんに会社の立ち上げについて相談し、ご協力いただいたというご縁ですね。 西

          創業の背景にあった「PV至上主義への違和感」/ note 加藤貞顕氏×西内啓対談 Vol.1

          「AIカメラでファクトベースでのマーケティングを実現」サツドラホールディングス富山浩樹氏×西内啓対談 Vol.3

          AIの導入で意思決定がファクトベースに西内 御社ではAI開発も手がけていらっしゃいますが、どういったところにフォーカスを当てているのでしょうか。 富山 弊社が業務提携契約をしているAWL株式会社では、店舗のカメラ画像認識ソリューションを開発しています。このソリューションでは、店舗に来店されるお客様の性別や年齢などの属性と、店内での人の動線を分析します。従業員とお客さまがどういう動きをしているのか、すべて見えるようになっています。これで何をするかというと、店舗の Web 化

          「AIカメラでファクトベースでのマーケティングを実現」サツドラホールディングス富山浩樹氏×西内啓対談 Vol.3

          「データを見て迷宮入りするときは"何がどうなったら嬉しいか"を先に決める 」サツドラホールディングス富山浩樹氏×西内啓対談 Vol.2

          データを見て迷宮入りするときは「何がどうなったら嬉しいか」を先に決める富山 私が2019年から取締役を務めているコンサドーレ札幌は、マーケティングが課題になっていました。この課題を解消するためペルソナを立てることになったのですが、データだけでペルソナを考えると迷宮入りしていくんですね。そこで、データを見る前にまず仮説を立てることにしたんです。 現場で培った肌感を持っている営業の皆さんに、わざとデータを見せずにペルソナを描いてもらいました。それで、そのペルソナに合致する人が

          「データを見て迷宮入りするときは"何がどうなったら嬉しいか"を先に決める 」サツドラホールディングス富山浩樹氏×西内啓対談 Vol.2

          「顧客データは大きな資産だという価値に気づき立ち上げた『エゾカ』」サツドラホールディングス富山浩樹氏×西内啓対談 Vol.1

          顧客データの価値に気づき共通ポイントカードを着想西内 まずは読者の方に御社の事業の全体像をご紹介ください。 富山 弊社は北海道を中心に約200店舗を展開するドラッグストア「サツドラ」と、5年ほど前に設立した「リージョナルマーケティング」という地域マーケティングの会社を経営しています。 リージョナルマーケティングでは、『エゾカ』という地域の共通ポイントカードを立ち上げまして、現在北海道の世帯カバー率が約65%、会員数が約190万人にまで伸びています。この2つの事業がアセッ

          「顧客データは大きな資産だという価値に気づき立ち上げた『エゾカ』」サツドラホールディングス富山浩樹氏×西内啓対談 Vol.1

          「意思決定者が皆データを扱えるからデータ経営の文化が根づいた」ワークマン 土屋哲雄氏×西内啓対談 Vol.3

          値引きはせず欠品を抑えてロングテールで売る 西内 勝ちパターンが出そろって、ワークマンはここからさらに成長が見込まれますね。 土屋 今長谷川の1番重要な仕事は来年(2020年)の生産量を計算することです。失敗すると100億個単位で在庫になります(苦笑)。 西内 アパレルの予測は難しいですよね。 少し前の話ですが、アパレル業界全体でデニムのジャケットを流行らせようと仕掛けていたのだけれども、スギちゃんが登場してその仕込みが吹き飛んでしまったということがあったそうです。さ

          「意思決定者が皆データを扱えるからデータ経営の文化が根づいた」ワークマン 土屋哲雄氏×西内啓対談 Vol.3

          「データをもとにした出店予測や販促が経営のムダをそぎ落とす」ワークマン 土屋哲雄氏×西内啓対談 Vol.2

          作業服向けの店舗は出店予測が難しい 西内 多くの小売業にとって出店計画は大きな課題ですね。 土屋 予測モデルが当たる業種と、当たらない業種がありますね。うちはなかなか当たりにくいです(笑)。 長谷川 既存のワークマンの店舗の予測は難しかったのですが、最近ワークマンプラスの売上を予測をすると結構当たります。 西内 素晴らしい。 土屋 ワークマンプラスは商圏が広いから余計予測しやすいのかもしれません。 西内 そうですね。プロ向けの業態であれば、工務店の立地やそこにお勤

          「データをもとにした出店予測や販促が経営のムダをそぎ落とす」ワークマン 土屋哲雄氏×西内啓対談 Vol.2